ビル・エヴァンス「ポートレイト・イン・ジャズ+1(SHM-CD)」レビュー:不朽の名盤をSHM-CDで堪能する
ジャズファンなら誰もが知る、ビル・エヴァンス・トリオの傑作「ポートレイト・イン・ジャズ」。 1959年の録音ながら、その洗練されたサウンドは今もなお多くの人々を魅了し続けています。 今回は、その名盤をSHM-CDでリマスターした「ポートレイト・イン・ジャズ+1(SHM-CD)」を実際に購入し、聴いてみた感想をレビューします。
「ポートレイト・イン・ジャズ」とは
ビル・エヴァンス(ピアノ)、スコット・ラファロ(ベース)、ポール・モチアン(ドラムス)という伝説的なメンバーで構成された、通称「エヴァンス第一期トリオ」による演奏。 インタープレイと呼ばれる、メンバー間の対話のような演奏スタイルが特徴で、それまでのジャズ・ピアノトリオの概念を大きく変えたと言われています。 「枯葉」「いつか王子様が」など、スタンダードナンバーを見事に再解釈した演奏は、まさに芸術。
SHM-CDとは?
SHM-CD(Super High Material CD)は、通常のCDよりも透明度の高い素材を使用することで、音質を向上させたCDです。 より原音に近いサウンドを楽しめると言われています。
「ポートレイト・イン・ジャズ+1(SHM-CD)」を聴いてみた感想
まず、SHM-CDによる音質の向上は明らかです。 特に、スコット・ラファロのベースの音がクリアに聴こえるようになり、トリオ全体のアンサンブルがより鮮明に感じられます。 オリジナル盤や通常のリマスター盤と聴き比べてみると、その違いは歴然。 まるで目の前で演奏しているかのような臨場感を味わえます。
収録曲の中でも特に印象的だったのは、以下の3曲です。
- 枯葉 (Autumn Leaves):エヴァンスの繊細なピアノの音色と、ラファロの流麗なベースラインが絡み合う、まさに至高の演奏。何度聴いても感動します。
- いつか王子様が (Someday My Prince Will Come):ディズニー映画「白雪姫」のテーマ曲を、エヴァンス流にアレンジ。原曲のイメージを覆す、クールでスタイリッシュな演奏です。
- ブルー・イン・グリーン (Blue in Green):マイルス・デイヴィスの名盤「カインド・オブ・ブルー」にも収録されている、エヴァンス作曲のバラード。哀愁漂うメロディが心に染み渡ります。
他のCDとの比較
「ポートレイト・イン・ジャズ」は、様々なレーベルから多くのリマスター盤が発売されています。 例えば、オリジナル盤の音源を忠実に再現したとされるRVG(Rudy Van Gelder)エディションや、SACD(Super Audio CD)盤などがあります。 RVGエディションは、オリジナル盤の雰囲気を味わいたい方におすすめですが、音質的にはSHM-CDの方が優れていると感じました。 SACD盤は、さらに高音質を追求したい方におすすめですが、再生環境を選ぶというデメリットがあります。
メリット・デメリット
メリット:
- SHM-CDによる高音質
- 不朽の名盤を手軽に楽しめる
- ジャケットデザインもオリジナルを忠実に再現
デメリット:
- 価格がやや高め
- オリジナル盤の雰囲気を重視する方には不向き
こんな人におすすめ
まとめ
ビル・エヴァンス「ポートレイト・イン・ジャズ+1(SHM-CD)」は、不朽の名盤をSHM-CDの高音質で楽しめる、まさに決定版と言える一枚です。 まだ聴いたことがない方はもちろん、オリジナル盤や他のリマスター盤を持っている方にも、ぜひ聴いていただきたいです。