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『欲望』(DVD)を深掘りレビュー:アントニオーニが描く、写真と現実の境界線

アントニオーニの傑作『欲望』(DVD)を徹底レビュー!写真が暴く真実とは?

ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『欲望』。一度見たら忘れられない、あの衝撃的なラストシーンは、映画史に残る名場面として語り継がれています。今回は、そんな『欲望』のDVDを実際に鑑賞し、その魅力と奥深さを徹底的にレビューします。

映画の内容を簡単に説明すると、ファッションカメラマンの主人公が、公園で撮影した写真の中に殺人事件の証拠を発見してしまう、というサスペンスドラマです。しかし、単なるサスペンスにとどまらず、現代社会における人間関係の希薄さや、真実の曖昧さを鋭く描いています。

ストーリー:日常に潜む狂気

ロンドンのファッションカメラマン、トーマスは、ある日公園で若い男女の姿を写真に収めます。現像してみると、そこには不審な人影が写っており、さらに拡大していくと、殺人事件の現場が浮かび上がってくるのです。真実を追求しようとするトーマスは、次第に危険な状況に巻き込まれていきます。

『欲望』の魅力

  • 映像美: アントニオーニ監督ならではの、洗練された映像美が堪能できます。特に、公園のシーンは、光と影のコントラストが印象的で、見る者を惹きつけます。
  • 音楽: ハービー・ハンコックによる音楽も、作品の雰囲気を盛り上げています。都会的なサウンドが、主人公の孤独感を際立たせています。
  • 哲学的テーマ: 「真実とは何か?」「現実とは何か?」といった、哲学的なテーマが散りばめられています。鑑賞後、深く考えさせられる作品です。

実体験レビュー:見終わった後の喪失感

『欲望』を初めて見たのは、大学生の頃でした。最初は、スタイリッシュな映像に惹かれたのですが、見終わった後、何とも言えない喪失感に襲われました。それは、主人公が真実を追い求める過程で、何もかも失ってしまう姿に、自分の無力さを感じたからかもしれません。

DVDで鑑賞するにあたり、画質や音質が気になっていましたが、全く問題ありませんでした。むしろ、デジタルリマスターによって、映像の美しさが際立っているように感じました。特典映像として、アントニオーニ監督のインタビューや、メイキング映像が収録されているのも嬉しいポイントです。

競合作品との比較:デ・パルマ監督の『ブロウアウト』

同様に、音響技師が偶然録音した音から事件の真相に迫る、ブライアン・デ・パルマ監督の『ブロウアウト』と比較されることがあります。

比較項目 欲望 ブロウアウト
テーマ 写真による真実の探求、現実と虚構の曖昧さ 音による真実の探求、陰謀
演出 抽象的、哲学的 サスペンスフル、エンターテイメント性重視
主人公 ファッションカメラマン(虚無感や孤独感を抱えている) 音響技師(正義感が強く、事件の真相を暴こうとする)

メリット・デメリット

メリット

  • 何度見ても新しい発見がある奥深さ
  • 美しい映像と音楽
  • 考えさせられるテーマ

デメリット

  • 難解な部分もあるため、万人受けするとは言えない
  • 展開がゆっくりとしているため、退屈に感じる人もいるかもしれない

こんな人におすすめ

  • アート系の映画が好きな人
  • 哲学的なテーマに興味がある人
  • アントニオーニ監督のファン

まとめ:時代を超えて愛される名作

『欲望』は、公開から50年以上経った今でも、色褪せることのない名作です。写真というメディアを通して、人間の欲望や孤独、そして真実の曖昧さを描き出した本作は、私たちに多くの問いを投げかけます。ぜひ、DVDでじっくりと鑑賞し、その奥深さを堪能してください。