「ワイヤレスホリパッド for Steam (ミッドナイトブラック)」は本当に“買い”?Steam Deckユーザーが選ぶ理由と割り切った潔さ
Steam Deckのような携帯型ゲーミングPCで遊ぶ際、コントローラーの選択はゲーム体験を大きく左右しますよね。特に据え置きでじっくりプレイするなら、持ちやすいコントローラーは必須アイテムです。今回、私が注目したのは老舗ゲーム周辺機器メーカーHORIが満を持してリリースした「ワイヤレスホリパッド for Steam (ミッドナイトブラック)」。Steam Deckに特化したワイヤレスコントローラーということで、一体どんな使い心地なのか、実際の使用感を交えながら徹底レビューしていきます。
Steam Deckでのゲームプレイをより快適にしたいと考えるあなたに、ぜひ読んでいただきたい記事です。
導入:なぜ私が「ワイヤレスホリパッド for Steam」を選んだのか
PCゲームをプレイする際、多くのゲーマーがまず選択肢に入れるのは、XboxコントローラーやPS5のDualSenseではないでしょうか。私もこれまでそれらのコントローラーを使用してきました。しかし、Steam Deckをメインで使うようになり、求められるコントローラーの条件が変わってきました。
一番の決め手となったのは、HORIというブランドへの信頼感と、何より「Steam Deck向け」と謳っている点です。Steam Deckは携帯機なので、ドックに繋いで外部ディスプレイで遊ぶ際、コントローラーもできるだけコンパクトで取り回しの良いものが欲しかったのです。そして、このワイヤレスホリパッドは、驚くほど軽量であるという事前情報が私の心を捉えました。普段使いのコントローラーとは別に、Steam Deck専用の相棒が欲しかったんですよね。
開封からファーストインプレッション:手に取った瞬間の驚き
「ワイヤレスホリパッド for Steam」が届き、箱を開けた瞬間、まず感じたのはその軽さです。約185gという質量は、数字以上に軽く感じられます。これまで使ってきたどのコントローラーよりも軽量で、初めて手にした時の驚きは忘れられません。プラスチック製の筐体はサラサラとしたマットな質感で、指紋が目立ちにくいのも好印象です。
内容物はコントローラー本体、USB Type-A to Type-Cケーブル(約3m)、そしてBluetoothアダプタ(USB Type-A)と非常にシンプル。設定も簡単で、BluetoothアダプタをPCやSteam Deckに差し込むだけであっという間に認識されました。有線接続も試しましたが、こちらも挿すだけで即座にゲームプレイが可能です。セットアップに手間取ることなく、すぐにゲームの世界へ飛び込めるのは高評価ポイントですね。
実際に使ってみてわかったメリット:軽さと操作性の両立
数週間にわたり様々なゲームでこのコントローラーを使ってみましたが、特に際立ったメリットは以下の通りです。
- 圧倒的な軽量性: 長時間プレイしていても、腕や手首に負担がかかりにくいのは本当に素晴らしいです。特にアクションゲームなど、集中してプレイする場面では、この軽さが疲労軽減に大きく貢献してくれます。Steam Deckをドックに置いて、ソファでくつろぎながらプレイするのに最適だと感じました。
- 高精度な操作感: スティックの滑らかな動き、ボタンの適度な押し心地、トリガーの反応速度など、全体的に高精度な操作感を実現しています。ジャイロセンサーも搭載されているため、対応するゲームでは直感的なエイム操作も可能です。私はFPSゲームでジャイロを使ってみましたが、細かい調整がしやすく、思っていた以上に快適でした。
- 安定した無線接続: Bluetooth2.4による無線接続は、約10mの通信距離とされており、私の環境では一度も途切れることなく安定して動作しました。遅延も感じられず、ワイヤレスならではの解放感を存分に味わえました。
- Steam Deckとの親和性: Steam Deckをターゲットに開発されただけあり、OSとの連携もスムーズです。ボタンレイアウトも一般的なPCコントローラーに準拠しており、SteamのBig PictureモードやSteam Inputでの設定も特に問題なく行えました。
割り切られた機能とデメリット:こんな人には不向きかも?
一方で、このコントローラーには「割り切られた」機能がいくつかあります。商品説明にも記載されていますが、特に以下の3点は購入前にしっかり確認すべきポイントです。
- 振動機能がない: これは正直なところ、ゲームによっては寂しく感じる部分です。特にアクションゲームやレースゲームでは、振動による臨場感はゲーム体験を大きく向上させます。振動が必須という方には、このコントローラーは物足りなく感じるかもしれません。
- トラックパッドがない: Steam Deck本体にはトラックパッドがありますが、コントローラーには搭載されていません。一部のPCゲームではトラックパッドがマウスの代わりとして重宝されることがあるため、マウス操作が必要なゲームでは別途マウスを用意するか、Steam Deck本体のトラックパッドを使用する必要があります。
- ヘッドフォンジャックがない: コントローラーから直接オーディオを出力したい方にとっては、ヘッドフォンジャックがないのはデメリットです。私は普段PCのオーディオ出力を利用しているので問題ありませんでしたが、コントローラーにヘッドホンを繋いでプレイするスタイルの方には不便に感じるかもしれません。
これらの機能は、XboxコントローラーやPS5のDualSenseには標準で搭載されています。例えば、Xbox Series X|Sコントローラーであれば、優れた振動機能と安定した接続、そしてヘッドフォンジャックも備えています。DualSenseに至っては、ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーといった革新的な機能を搭載し、まさに次世代のコントローラー体験を提供します。Nintendo Switch ProコントローラーもジャイロとHD振動を兼ね備えていますが、PCでの接続はやや癖がある場合があります。
HORIの「ワイヤレスホリパッド for Steam」は、これらの多機能性をあえて削ぎ落とし、軽量性・操作性・Steam Deckとの相性に特化することで、他にはない唯一無二のポジションを確立していると言えるでしょう。振動やトラックパッド、ヘッドフォンジャックが不要な方にとっては、余計なものがなく、まさに理想的な選択肢となり得ます。
こんな人におすすめ!
今回のレビューを踏まえ、「ワイヤレスホリパッド for Steam」は特に以下のような方におすすめできます。
- Steam Deckを据え置きでプレイすることが多いユーザー: 軽量性で長時間のプレイも快適。
- 振動機能やトラックパッド、ヘッドフォンジャックを重視しないゲーマー: シンプルな操作感と軽さを追求したい方。
- HORIブランドの製品に信頼を置いている方: 品質と操作性のバランスはさすがHORIといったところです。
- サブコントローラーを探している方: メインコントローラーとは別に、気軽に使える軽量なコントローラーが欲しい方に最適です。
まとめ:割り切りが光るSteam Deckユーザーの新たな選択肢
「ワイヤレスホリパッド for Steam (ミッドナイトブラック)」は、振動機能やトラックパッド、ヘッドフォンジャックといった一部の機能をあえて搭載しないことで、圧倒的な軽量性と優れた操作性を実現した、まさに「割り切りの美学」を感じさせるコントローラーです。
全てのゲーマーにおすすめできるわけではありませんが、Steam Deckユーザーで、特に「軽量で快適な操作感」を最優先する方にとっては、まさに最適な一台となるでしょう。シンプル・イズ・ベストを体現したこのコントローラーで、あなたのSteam Deckライフをさらに快適なものにしてみませんか?