オーディオテクニカ ATH-M20x レビュー:DTM初心者に最適?
DTMを始めたばかりの皆さん、モニターヘッドホン選びで迷っていませんか? 今回は、プロの現場でも愛用されるオーディオテクニカの定番モニターヘッドホン「ATH-M20x」を実際に使用してレビューします。フラットな音質でミックスやマスタリングに最適と言われていますが、本当にそうなのか? DTM初心者目線で徹底的に掘り下げていきます。
ATH-M20xは、正確な音を捉えるためのモニターヘッドホンとして、多くのプロフェッショナルから支持されています。しかし、その実力はプロだけでなく、DTM初心者にも恩恵をもたらすのでしょうか?
ATH-M20xの概要
ATH-M20xは、オーディオテクニカのMシリーズのエントリーモデルです。プロ用モニターヘッドホンの入門機として、手頃な価格ながら高音質を実現しています。特に、フラットな特性で原音に忠実な再生能力が特徴で、レコーディング、ミキシング、楽器練習など、様々な用途で使用できます。
主な特徴
- フラットな特性で広帯域再生を実現する高音質
- 新開発の強磁力φ40mmCCAWボイスコイルドライバー搭載
- 遮音性を高める楕円形状のイヤカップ
- 優れた耐久性の新イヤパッド素材
- 取り回しやすい片出しコード
実機レビュー:ATH-M20xを使ってみた
実際にATH-M20xをDTMで使用して、音質、装着感、使い勝手を評価してみました。
音質
ATH-M20xの最大の特徴は、やはりフラットな音質です。低音から高音までバランス良く再生され、特定の帯域が強調されることがありません。そのため、ミックス時に音の偏りを正確に把握することができます。例えば、低音が過多になっているトラックや、高音が耳に刺さるトラックを正確に特定し、適切な処理を行うことができます。
普段使いのヘッドホン(例えばSONYのEXTRA BASSシリーズ)と比較すると、低音の迫力は劣りますが、音の分離が良く、各楽器の音をクリアに聴き取ることができます。今まで聴こえなかった微細な音も聴こえるようになり、ミックスの精度が向上しました。
装着感
イヤーパッドは耳を覆う楕円形状で、密閉性が高く、周囲の音を遮断してくれます。長時間使用しても耳が痛くなりにくい素材が使用されており、快適な装着感が続きます。ただし、密閉性が高い分、夏場は少し蒸れるかもしれません。
使い勝手
コードは片出しタイプで、取り回しやすく絡まりにくいのが特徴です。ケーブルの長さも十分で、DTM環境での使用に不便はありません。ただし、コードが着脱式ではないため、断線した場合は修理が必要になります。
競合製品との比較:SONY MDR-CD900STとの違い
モニターヘッドホンの定番として、SONYのMDR-CD900STが挙げられます。どちらもプロの現場で愛用されていますが、音質や装着感に違いがあります。
項目 | ATH-M20x | SONY MDR-CD900ST |
---|---|---|
音質 | フラットでバランスが良い | 中音域が強調された、よりリスニング向きの音質 |
装着感 | 密閉性が高く、比較的快適 | 側圧が強く、長時間の使用には不向き |
価格 | 比較的安価 | 比較的高価 |
用途 | DTM、レコーディング、楽器練習など幅広い用途 | プロの現場でのミキシング、マスタリングに特化 |
MDR-CD900STは、中音域が強調された音質で、ボーカルやギターの音を聴き取りやすく、ミックスの判断がしやすいという特徴があります。一方、ATH-M20xは、よりフラットな音質で、全体のバランスを正確に把握するのに適しています。
ATH-M20xのメリット・デメリット
メリット
- フラットな音質で正確なモニタリングが可能
- 手頃な価格でDTM初心者にもおすすめ
- 遮音性が高く、集中して作業できる
デメリット
- コードが着脱式ではない
- 夏場は少し蒸れる可能性がある
- MDR-CD900STと比較すると、音の解像度や定位感で劣る
まとめ:ATH-M20xはDTM初心者に最適なモニターヘッドホン
ATH-M20xは、フラットな音質で正確なモニタリングが可能であり、DTM初心者にとって非常に有用なツールです。手頃な価格で購入できるため、初めてのモニターヘッドホンとしておすすめです。
もちろん、より高価なモニターヘッドホンと比較すると、音質や機能面で劣る部分もありますが、DTMの基礎を学ぶには十分な性能を備えています。ATH-M20xを使って、正確な音作りをマスターしましょう。