【箏曲】松本雅夫「正派邦楽会 箏曲名作選13」レビュー:心に染み入る名演奏、デジタル時代にこそ聴きたい日本の音色
箏(こと)の音色は、どこか懐かしく、そして奥ゆかしい日本の心を思い出させてくれます。今回ご紹介するのは、箏曲家・松本雅夫氏による「正派邦楽会 箏曲名作選13」。古典から現代まで、箏曲の魅力を余すところなく堪能できる一枚です。
「正派邦楽会 箏曲名作選13」とは
「正派邦楽会 箏曲名作選13」は、箏曲家・松本雅夫氏の演奏による箏曲集です。正派邦楽会は、箏曲の流派の一つであり、伝統的な箏曲の保存と発展に努めています。本作は、その正派邦楽会が選りすぐった名曲を、松本氏の卓越した演奏で収録したものです。
箏の音色に魅せられたきっかけ
私が箏の音色に初めて触れたのは、小学校の音楽の授業でした。それまで、箏という楽器の存在すら知らなかったのですが、先生が爪弾く優しい音色に、たちまち心を奪われました。それ以来、機会があれば箏曲を聴くようになり、その奥深さに魅了されています。
おすすめポイント:琴線に触れる、繊細な音色
このCDを聴いてまず感じたのは、松本氏の演奏の繊細さです。一音一音が丁寧に奏でられており、まるで目の前で演奏を聴いているかのような臨場感があります。特に、高音域の透明感のある響きは、まさに絶品。疲れた心を優しく癒してくれるような、そんな力を持っています。
具体的な楽曲の感想
収録曲の中でも、特に印象に残ったのは以下の3曲です。
- 「六段の調」: 箏曲の代表的な曲であり、本作でもその美しい旋律を堪能できます。流れるようなリズムと、変化に富んだメロディーが聴きどころです。
- 「春の海」: 宮城道雄の代表作。お正月によく耳にする、あの有名な曲です。箏と尺八の掛け合いが心地よく、穏やかな気分になります。
- 「楓の花」: しっとりとした旋律が印象的な、叙情的な一曲。秋の情景が目に浮かぶような、美しいメロディーに心惹かれます。
他の箏曲CDとの違い:伝統と革新の融合
箏曲のCDは数多くありますが、本作の特徴は、伝統的な箏曲に加え、現代的な要素を取り入れた曲も収録されている点です。これにより、箏曲の新たな可能性を感じることができます。例えば、現代音楽の作曲家が手がけた曲などは、従来の箏曲のイメージを覆すような、斬新なサウンドが楽しめます。
競合としては、例えば、沢井忠夫氏の演奏による箏曲集などが挙げられます。沢井氏の演奏は、力強く、ダイナミックな表現が特徴ですが、松本氏の演奏は、より繊細で、優美な印象を受けます。
メリット・デメリット:CDならではの音質の良さ
メリット
- CDならではの音質の良さ
- 箏曲の初心者でも楽しめる、分かりやすい解説書付き
- 伝統的な曲から現代的な曲まで、幅広いラインナップ
デメリット
- ストリーミングサービスに比べると、持ち運びが不便
- CDプレーヤーが必要
どんな人におすすめ?:忙しい毎日に、癒やしを求めるあなたへ
「正派邦楽会 箏曲名作選13」は、以下のような方におすすめです。
- 箏曲に興味があるけど、何から聴けば良いか分からない
- 日本の伝統音楽に触れてみたい
- 忙しい毎日に、癒やしを求めている
- 集中力を高めたい
- リラックスしたい
まとめ:日本の美しい音色を、心ゆくまで
「正派邦楽会 箏曲名作選13」は、箏曲の魅力を存分に味わえる、素晴らしい一枚です。松本雅夫氏の繊細な演奏は、聴く人の心を優しく包み込み、日々の疲れを癒してくれます。ぜひ、この機会に、日本の美しい音色に触れてみてください。