『身も心も』DVDレビュー:奥田瑛二とかたせ梨乃が魅せる、人間の業
奥田瑛二とかたせ梨乃という、実力派俳優二人が織りなす愛憎劇『身も心も』。公開当時、その大胆な描写と人間の心の奥底をえぐるようなストーリーで話題を呼んだ作品です。今回、DVDを鑑賞し、改めてその魅力と作品が持つ普遍的なテーマに深く感銘を受けました。
あらすじ
物語は、孤独を抱える中年男(奥田瑛二)と、奔放な若い女(かたせ梨乃)が出会い、惹かれ合うところから始まります。二人はお互いの傷を癒し合うように深く関係を重ねていきますが、それぞれの過去や欲望が絡み合い、次第に関係は歪んでいきます。愛と憎しみ、束縛と解放、人間の持つ二面性がむき出しになっていく様は、見る者の心を揺さぶります。
見どころ
1. 奥田瑛二とかたせ梨乃の迫真の演技
何と言っても、奥田瑛二とかたせ梨乃の演技が素晴らしい。特に、かたせ梨乃の危うさと色気が同居した演技は圧巻です。二人の感情がぶつかり合うシーンは、息をのむほどの緊張感があります。
2. 荒井晴彦による脚本
脚本は、数々の名作を手掛けてきた荒井晴彦。人間の欲望や孤独を容赦なく描き出し、観る者に深い問いを投げかけます。
3. 映像美
映画全体を覆う退廃的な雰囲気と、美しい映像が印象的です。特に、二人の濡れ場は、官能的でありながらも、どこか痛々しさを感じさせます。
他の作品との比較
『身も心も』は、人間の欲望や孤独を赤裸々に描いた作品という点で、同じく荒井晴彦が脚本を手掛けた『Wの悲劇』(薬師丸ひろ子主演)と共通する部分があります。しかし、『Wの悲劇』が華やかな舞台を背景にしているのに対し、『身も心も』は、より日常的な風景の中で人間の心の闇を描いている点が異なります。個人的には、より生々しい感情が伝わってくる『身も心も』の方が、より深く心に突き刺さりました。
感想
『身も心も』は、決して万人受けする作品ではないかもしれません。しかし、人間の心の奥底にある欲望や孤独、そして愛という感情を深く考えさせられる、非常に見応えのある作品です。鑑賞後、しばらくは物語の余韻に浸ってしまいました。特に、大人の恋愛を描いた作品が好きな方には、ぜひおすすめしたい作品です。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
奥田瑛二、かたせ梨乃の迫真の演技 | 過激な描写が含まれるため、苦手な人もいるかもしれない |
人間の心の奥底をえぐるようなストーリー | ストーリー展開が重く、後味が悪いと感じる人もいるかもしれない |
映像美 | DVDの画質は、最新のブルーレイディスクに比べると劣る |
こんな人におすすめ
- 大人の恋愛を描いた作品が好きな人
- 人間の心理を描いた作品が好きな人
- 奥田瑛二、かたせ梨乃のファン
まとめ
『身も心も』は、人間の欲望と孤独、そして愛を描いた、衝撃的な作品です。奥田瑛二とかたせ梨乃の迫真の演技、荒井晴彦による脚本、美しい映像、全てが見事に調和し、観る者の心を揺さぶります。この作品を通して、あなた自身の心の中にある感情と向き合ってみてはいかがでしょうか。